アイツは私の初彼氏
頭の痛くなる様な思いで家を出た私は、その頭痛の半分の要因といえるヤツに会った。
「さお、今からか?」
隣の家から出てきた克幸は、私の家の方までやってきた。
「克幸、今日は朝練なしなのか?」
「ああ。朝から小テストがあるから、勉強しねぇと」
「げっ、小テスト!」
答えを教え合ったりしないように、クラスが違っても小テストは同時にあるんだよな。
私は更に頭が痛くなった様な気がした。
こめかみに手を当てる。
「さお、大丈夫か?」
「うわっ」
ふと気がつくと、克幸が覗き込む様に私の目を見ていたので思わずのけぞる。
「おまっ、ひっくり返る気か!」
慌てて肩をつかんで引き起こされる。
そのままの勢いで克幸の胸元に頭から突っ込む様な形で止まった。