アイツは私の初彼氏
ちょ、何このヒラヒラした生地!柄とか派手だろ!
私が固まっていると、そばにいたかお姉がニッコリ笑った。
「早く着替えないと、後が怖いよ~?」
「うっ」
とりあえず言われた通りに着替え終わると、しお姉は重そうな木箱を手に戻ってきた。
あれは!
しお姉のメイクボックス!!
実の妹ですら触れることを許されない、ブラックボックスだ。
しお姉は私の横に座る。
「さて、やりますか」
そう言って袖をまくるしお姉は、気合いたっぷりと言った感じだった。
「はい、目閉じて!……開けて!もう一回閉じる!」
「あのさーしお姉、私今日遊びに行くって昨日言ったよな?」
「聞いたわよ。かっちゃんとでしょ?はい、しばらく閉じてて」
話しながら、しお姉は私の顔にメイクをしてゆく。
私はその勢いに押されてされるがままになりつつ。