アイツは私の初彼氏


今日は確か克幸の方から行きたい所があるって話しだった。

そろそろ教えてくれてもいいよな?


「―――秘密」

そう言うと、克幸は伝票を手に席を立ち上がる。

「そろそろ行こう」

促されるまま、私も席を立ち上がった。



「有り難うございました」

店員さんに見送られて店を後にする。

財布を取り出して半分出そうとすると、克幸に止められた。

「今日はおごり」

「でもさ、」

「いいから」

まったく、こういう所いつも強引なんだよな。
頑固とも言うのかもしれないけど。



 克幸に連れられて最初に行ったのはゲーセン。

何して遊ぼうかワクワクしながらゲーム機を見ていたら、プリクラのスペースに引っ張っていかれて、そこで初めて自分の姿を目の当たりにした。



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