アイツは私の初彼氏


「―――っ、え?」

目の前の画面には長い髪の女の子が映っている。

私が動くと同じ様に動くから、それが私なのだと分かる。

「さお、撮ろう」

「あ、……ちょ」

肩を引き寄せられて、克幸に寄りかかる様な形になった。

そのまま一枚撮られる。

いつもなら私の方から肩を組んだりするのに、今日はそれどころじゃない。

画面の中の自分に戸惑っていたし、あの日から克幸に近付く事に緊張するんだ。

『もう一枚、いっくよぉ~』

機械音声がそう告げる。

「ほら、次は笑えよ」

「む、無理だって!」

「……終わったらゲームしに行こう」

「マジ!?」

その言葉に思わず顔を輝かせると、その瞬間にシャッター音がした。

「ほい、ご苦労さん」

克幸が苦笑しながらプリントアウトしたプリクラを取り出した。

半分切って私に手渡す。

そこには、嬉しそうに笑いかける私の姿が写っていた。
我ながら、ゲンキン過ぎる。



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