アイツは私の初彼氏
それから、私は気になっていた格闘ゲームと音楽ゲームを楽しんだ。
「次、何する?」
「そうだな、アレとかどうだ?」
克幸が選んだゲームをしようと移動していると、
「―――伊波?」
声をかけられて克幸が振り向くと、そこには1人の男子が立っていた。
「高木」
相手は茶髪で髪は長め。愛想良く笑う表情は克幸と正反対のイメージを受ける。
「へぇ、伊波がオンナ連れでゲーセンなんて意外」
「お前に関係ないだろ」
克幸がムッとした様子で高木って奴を見る。
「そう怒るなって。こっちの子、可愛いね」
ソイツはそんな事を気にもせず、自然な素振りで私に顔を近付けた。
「っ、な」
私が驚いて顔を引くと同時に、克幸が私の腕を引いて高木から遠ざける。
「おっと、冗談冗談」
明らかに怒りの表情を浮かべる克幸に、高木は軽い調子で笑いかけた。