アイツは私の初彼氏


 雑貨屋を出た後、少し歩き出した途端に足に痛みを感じた。

「……って、」

「さお?」

立ち止まる私の様子を見てピンときた克幸は、私にその場で待つように言うとどこかへ走って行く。

しばらくして戻ってきたその手には絆創膏があった。

近くのバス停のベンチに座ると、パンプスを脱いでみる。
予想通り、足首に傷が出来ていた。

「あーあ、靴擦れなんて久々だよ。しお姉のせいだ」

「ほら、足かせ」

ぶつくさ言っていると克幸が絆創膏を貼ってくれる。

「ありがとな」

「今からまだ歩けそうか?何ならおぶってやるが」

「いっ、いーよ!歩ける!」

慌てて靴を履くと、何歩か歩いて立ち止まる。

ダメだ、少しはマシだけどやっぱ痛い。

「仕方ないな、ん」

克幸はそんな私に苦笑すると、少し前に立って軽く曲げた腕を差し出した。

「つかまれ」

「え、いいってば」



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