アイツは私の初彼氏
克幸と別れて家に戻った私を待ち受けていたのは、姉2人からの質問責めだった。
「ただい……」
「さお!今日どうだったの!?かっちゃんとラブラブ出来た!?」
「てか帰り早過ぎない?健全的過ぎるよ!」
『ま』と言うまでの間に浴びせかけられた質問に、私は思わずため息をつく。
「しお姉、かお姉……」
「「どうなの!?」」
2人同時にそう言う。
双子か、この姉妹は!
「どうもこうも、姉ちゃん達のおかげで私は靴擦れまで出来たってのに」
「それで、それで?」
「どーもこーも、克幸が絆創膏買ってきて貼ってくれただけだ!」
詰め寄る2人にガマンしきれなくなって、思わずその事を言うと姉達は声を揃えて『きゃー』と喜んだ。
「愛じゃない?愛!」
「婿はもらったぁ!」
「……私、着替えてくるから」
彼女らのテンションについて行けない私は、さっさとその場を逃げ出すのだった。