アイツは私の初彼氏
戸惑いと嫉妬
次の日の3時間目、私は現国の教科書を家に忘れた事に気がついた。
「やっべ。克幸に借りてこよ!」
C組の教室を飛び出してA組に向かう。
教室で一番後ろから探してみるけど、克幸の姿はない。
クラスの中で知ってるヤツに声をかけて聞いてみると、先生に用事を任されて化学準備室に資料を取りに行ったとの事だった。
「準備室行けば、途中で会うかな?」
待っていても良かったけれど、じっとしてるのは性に合わない。
私はとりあえず化学準備室に向かう事にした。
廊下を移動していると、よく見知った背中が見えた。
克幸だ。
頭を下げて準備室を出る所を見ると、用事は終わったらしい。
「おー……」
声を掛けようとした所で思わず止める。
何故かというと、克幸は他の誰かに声を掛けられたからだ。
他の誰かというのは、女の子。