アイツは私の初彼氏
急転直下の帰り道
放課後、教室で義孝達と少年マンガを回し読みしていると、廊下からよく知った声が私を呼んだ。
「さお」
「おー克幸。部活終わったのか?」
「終わった。お前もそろそろ帰るだろ?」
「帰る帰る!ちょっと待って」
私は慌ててカバンをつかむと、克幸のもとへ走る。
「今日は三上は?」
家までの帰り道、ふと思い出した様に克幸が聞いた。
「アキラなら彼氏が近くまで迎えに来たから、先帰った」
旭は最近、近所の大学生と付き合い始めた。
一度会ったけど、優しくて良いヤツっぽかったな。
確かに旭じゃあ、そのくらい年上の方が似合うかも。
「そういや克幸、2ーBの女子に告白されたって?」
「2ーB?そこまで覚えてないけど」
「お前、ヒドいな!」