アイツは私の初彼氏
「……お、さお!」
ハッと気が付くと、目の前で手を振る旭の姿があった。
「アキラ、どうかした?」
「どうかしたじゃないわよ。アンタ、現国の授業の前からずーっと意識飛んでたじゃない」
「そう、だっけ?」
それこそ記憶が無い。
ちなみに今はお昼ご飯の真っ最中。
私の目の前には、学食のカレーがある。
あ、半分も食べ終わってた。
「もしかして、また何かあった?」
「えっ?克幸となんて何もないよ!」
「私、伊波くんが原因なんて言ってないケド」
「うっ……」
ハメられた!
旭がニマリと笑う。
これは多分逃げられないな……。
「で、何があったか言うわよね?」
「はは……」
せめて、誰もいない所で話させて下さいっ。
とりあえず私は、学食のカレーをかき込むのだった。