アイツは私の初彼氏
次の日の朝、学校に向かっていると誰かにポンと肩を叩かれた。
振り向くと、そこには一番会いたくないヤツ。
「……高木」
「おはよ、葛原さん!」
私の嫌そうなオーラにも怯まず、ヤツはニコニコと楽しそうに笑っている。
私はひとまず無視すべく、無言で歩きだした。
「ちょ、ちょっと葛原さんてば歩くの早くない?」
「別に、普通だから」
「まだ時間あるんだからさ、もうちょっとゆっくり歩いて行こうよ!」
だーから、お前と一緒に登校したくないんだよ!
「だいたい、その周りの彼女らだっているだろ!」
高木の周りには、当然のごとく何人もの女の子がまとわり付いている。
彼女たちは私と高木の組み合わせを、実に不思議そうに眺めている。
「え?ああ、彼女たちが嫌なのか。じゃあ先に行って逃げよう!」
そう言うと、突然高木は私の腕を取って走り始めた。