アイツは私の初彼氏


「うわっ、ちょ……離せよ!」

「とりあえず、あっちの空いてるとこまで!」

強引な高木に引かれるまま、私達はヤツに群がっていた女の子達を引き離した。



「もう良さそうかな?」

高木が辺りを見回しながらそう言う。

「ったく、離せ!」

すぐさま手を振り切る。

オマケに睨みつけてやったが、全く通じていないらしい。

『残念だなぁ』などと言いながら、私の横を歩き出した。

「……」

しばらく無言が続く。

とにかく無視しろと旭が言ったので、そうするんだ。

「ねぇ、伊波とは普段どんな話してるの?」

「……」

「葛原さんって、女の子達に人気あるよね!何度も噂で聞いたよ」

「……」

「彼女達がこの前の葛原さんを見たらどんな反応するだろうね?きっとビックリするよね!」

「……」



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