アイツは私の初彼氏
「……葛原さんは、伊波が好きなの?」
「―――っ、な!?」
無視を決め込もうとしていたら、急に何聞いてくるんだよ!
私は思わず反応してしまった。
「あ、やっとこっち見たね」
「あのなぁ……」
「今の質問は答えなくていいよ。そうだとしてもオレは気にしないし」
「私は別に……」
「まずは葛原さんと仲良くなりたいんだ。オレの事も知ってほしいしね」
言葉を失う私に、高木は恐らくほとんどの女の子が喜ぶ様な笑顔を浮かべた。
「はー、疲れた」
教室に入ってすぐ、私は机の上で伸びた。
あれからここに来るまでずっと高木に話しかけられて、精神が衰弱した気分だ。
「さお、おはよ。朝からどうしたの?」
心配して寄ってきた旭に、私は登校中の出来事を話した。
「―――あのチャラ高木がねぇ」
旭は少し考え込む様な顔でそう言った。