アイツは私の初彼氏
「アイツ、『来るもの拒まず去るもの追わず』って感じの奴だから、そんな風に積極的なのは意外ね」
「そうなのか?」
「そうよ。それで泣いてる子とかいっぱいいるんじゃないかな?」
それこそ、私にとっては意外なイメージだ。
ヤツはとにかく博愛主義で誰でも良くて、どんな子にでもガンガン行くのかと思ってたから。
「さお、よっぽど気に入られたのね」
「うう……」
どちらにしても、面倒な事に変わりはないんだよな。
私がため息をつくと、旭がポンと労る様に肩を叩いた。
それからも、度々高木は私の前に現れた。
休み時間、お昼休み、放課後と……ホント隙あらばといった感じで。
初めは無視していればいつか飽きるだろと思っていたが、それも効果は無く事態が改善される事はない。
「ねぇ、今日の小テストはどうだった?」
「あ?んーまぁまぁ?」
「オレ、こう見えて小テスト得意なんだ」
「へぇ?」