アイツは私の初彼氏
次の瞬間、キスされていた。
「―――っ!」
私は驚いてジタバタしようとしたが、両腕が拘束されている。
なので、足で克幸の足をを蹴ってやった。
「いっ……てぇ」
「お、前はいきなり何しやがる!」
突然の事で、頭に血が上る。顔が熱い。
克幸は痛みに顔をしかめているけど、腕を離そうとしない。
私はもう一度蹴ってやろうと、呼吸と同時に足を上げた。
「待て、離すから」
そう言って間もなく、拘束から解放される。
克幸は両手を上げ、降参するようなポーズをとった。
「反省してんのか?」
「……そのつもりだ」
「そうは見えない!」
見下ろす克幸の表情はふてぶてしく、とても反省なんてしているようには見えない。
夕暮れの住宅街で、私と克幸はしばしにらみ合う。