アイツは私の初彼氏
「っ、はぁ、ふぅ……」
「あはは!久々に全力出しちゃったよ!」
3曲連続で難しい曲をプレイさせられて、私は大息をついていた。
高木は、上手かった。意外な程に。
いつもならリタイアしちゃう曲も、1人で最後まで保たせてたし。
「アンタ、ほんとに得意なんだな」
私は驚きから、素直にそう口にした。
「分かってもらえて嬉しーよ。どうする?もいっかい行くっ?」
「ちょ……休憩したい」
「了解!あっちの椅子借りて座ろっか」
そのまま、私は流れで空いたゲームについている椅子に座った。
高木も、隣に座る。
「沙織ちゃん、疲れた?」
「ちょっとね。でも、結構気持ちいい疲れかな」
「だよねー」
楽しかったおかげで気分が上昇した私は、高木とも普通に話していた。
「アンタまだまだ疲れてなさそうだね」
「……って、沙織ちゃんてば『アンタ』はないんじゃないかなぁ?」
「え……じゃ、高木」
「じゃなくて!奏真って呼んでよ!」