アイツは私の初彼氏
次の日の昼、私は奏真と食堂に来ていた。
きっかけは奏真からの誘いだったのだけど、前ほど苦手意識がなくなった私は一緒に行く事にした。
2人でトレーを手に、列に並ぶ。
私は親子丼を取り、奏真はミートスパゲティを取った。
席について食べる間、不思議と女の子達は寄ってこない。
どちらかと言えば遠巻きに眺められていた。
私はそれを妙に思いながらも、卵の乗ったご飯を口に運ぶ。
「なぁ、何で今日はあの子達来ないんだ?」
思わず奏真に聞く。
「うーん。何だろね?やたら視線は感じるけど」
『ま、オレはその方が都合いいけどね!』と、奏真はいつもの軽い調子で笑った。
他愛のない話をして教室に戻ると、クールな旭が珍しく血相を変えて私の席まで来た。
「さお!」
「どした?何かあったのか?」
のん気にそう聞いた私の腕をつかんだ旭は、教室の隅に引っ張った。