アイツは私の初彼氏


そりゃそうだ。
だってそんなの、私だって初耳なのだから。

「でもそう言われて見れば、アイツといる時にやたら見られてたな」

「やっぱり!取り巻きの子達には何か言われたりしなかった?」

「何も。逆にじっと観察されてて不気味だった」

遠くから様子をうかがう様ないくつもの目線。
怒りでもなく、奇異の目でもなく。

あれは、何だったんだろう?


2人してしばらく考え込んでいると、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴った。




 帰りのホームルームが終わって教室を出ようとすると、5人の女子に呼び止められた。

「葛原さん、ちょっといいかな」

その内1人の子が私にそう声をかける。
後の4人も、何だかただならぬ雰囲気……?

私は思わずゴクリと唾を飲み込んだ。



 
< 97 / 116 >

この作品をシェア

pagetop