アイツは私の初彼氏
そりゃそうだ。
だってそんなの、私だって初耳なのだから。
「でもそう言われて見れば、アイツといる時にやたら見られてたな」
「やっぱり!取り巻きの子達には何か言われたりしなかった?」
「何も。逆にじっと観察されてて不気味だった」
遠くから様子をうかがう様ないくつもの目線。
怒りでもなく、奇異の目でもなく。
あれは、何だったんだろう?
2人してしばらく考え込んでいると、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴った。
帰りのホームルームが終わって教室を出ようとすると、5人の女子に呼び止められた。
「葛原さん、ちょっといいかな」
その内1人の子が私にそう声をかける。
後の4人も、何だかただならぬ雰囲気……?
私は思わずゴクリと唾を飲み込んだ。