また…会えるよね?
先輩はジッと私の顔を見ていた。
クシャっ
----・・・!?
くすっと笑って私の頭をくしゃくしゃと撫でると
「峰岸は、進路決まってるんだろ?もし来年、うちの学校きたら、また遊ぼうな!」
先輩はそう言って笑うと最後に「待ってるよ」と、手を振ってその場を後にした。
先輩の名前は《橋本真司》弓道部の部長だった。
面倒見がいい人で、誰からも好かれていた。
優しい先輩の社交辞令でも、
その言葉は私の宝物になった。
…自分の気持ちを言えなかった臆病な自分には、
その言葉だけが唯一先輩とつながっていられる様な物だったから…。
「待ってるよ」
・・・だから、その言葉を胸に、また先輩と会える事を夢見ていた。