恋する天然兎
「いっくん……。」
「由莉ってば。合宿来てまで暗い顔しないの、わかった?」
その数日後
私達はバスに乗っている。
「うぅっ…だって、何か引っ掛かるんだもん。」
はあと小さくため息をつき、有紗ちゃんの顔を思い浮かべた。
いっくん……。
「いっくんって可愛いのかな~、かっこいいのかな~」
とりあえずバスの中で叫んでみる。
すると、有紗ちゃんの兄。ふーまが言葉を発した。
「由莉までいっくんかよー。
家だけで十分だって。」
そう言い、苦笑い。
…相当言ってるみたいだね。
でもさ、あんなに可愛い有紗ちゃんがベタ惚れないっくんって……
どんな子なんだろう!!