滅 ―不良と不良の恋愛論―



「くっそ……っ!不意打ちだったのに!」


男は、悔しそうに叫ぶ。

男の身体は既にボロボロで、今にも倒れそうだ。



今度は別の声が聞こえた。


「残念。<滅-メツ->は、永久不滅の“滅”なんだ。不意打ちぐらいで負けない。いや……。」



―――負けさせない。僕が総長である限り。



そう言って、
男に蹴りを入れた。


既に限界を超えていた男は、呆気なく倒れた。






「<滅-メツ->に挑戦状を叩きつけた時点で、お前は負けていたんだよ。僕は甘くないからね。」


そう言って男を見下ろすのは、
背の小さい
少年のような……そんな人。






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