滅 ―不良と不良の恋愛論―
「……んだよ、どっかで見たことあると思ったら〈滅-メツ-〉の副総長かよ。」
「わりぃかよ。」
「チッ。どうせなら、総長連れてこいよ。それが出来ねえなら、去れ。消えろ。」
居ますけどー。とか自己主張は出来ない藍。
せっかく気づかれてないから、黙っていようと考えた。
……けど
(…そういえば僕、コイツの名前、知らない。)
「ねぇ、僕、松崎藍っていうんだけど、お前の名前は?」
なんだか気になって、聞いてみた藍。
すると、今まで珀に目がいっていた〈轟-ゴウ-〉の総長も、藍を視界に入れた。