滅 ―不良と不良の恋愛論―
〈轟-ゴウ-〉総長は、藍の顔を見て、フッと笑う。
「やっぱり―――〈滅-メツ-〉総長だな。」
「……普通、初日で見破る?見破らないよね?」
「俺は見抜けるんだよ。俺を出し抜ける奴なんざいやしねぇよ。」
さっきの微笑みは何だったんだ、と問いただしたくなるほどに、一瞬で鋭い目つきになった。
「てゆうか、離してくれる?背中痛いんだよね。」
壁に押し付けられたままの藍はそう懇願した。
すると、〈轟-ゴウ-〉総長は、なぜかさらに強く押し付ける。
「…っ、痛いって…言ってるじゃないか!」
〈轟-ゴウ-〉総長の手で押さえつけられている肩がミシミシといっている気がする。