滅 ―不良と不良の恋愛論―



秋月漆夜に


「次に会ったら……僕、捕まりそうだなー。」


漆黒の瞳に、捕らえられそうな、そんな予感。


――『痛みと共に、俺の名前を刻み込んでおけ。』


藍は肩に手を当てる。




「肩…どうかしたのか。」


珀が聞いてくるが
藍は首を横に振る。


肩に残る、痺れのような痛み。

それがずっと伝えてくる。




――きっと、逃げられない。




刻み込んだのは
痛みと、予感。


それから
〈轟-ゴウ-〉総長、秋月漆夜という名前。





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