滅 ―不良と不良の恋愛論―
珀の言葉に、不良達は立ち上がる。
「文句ありありだゴルァ!腐れイケメン!」
「イケメンだったら何しても許されると思うなよ!」
「イケメン滅べし!」
そんな不良達に、クラスメートは哀れみを込めた視線を送る。
(僻みだ…、僻み。)
藍もその内のひとりだった。
と、
――――ガンッ
いきなり音を立てて教卓が倒れた。
どうやら珀が蹴ったらしい。
「あのな、俺がイケメンとか美形とか美少年とか、そんなこたぁどうでもいいの。俺は、藍を馬鹿にしたことを怒ってんの。」
子供を諭すような柔らかな口調とは裏腹に、眉間にしわを寄せ不良達を睨んでいる。