滅 ―不良と不良の恋愛論―
「イケメンとは言われたけど、美形やら美少年やらはどっから来たの?」
藍は緊迫した空気をあえて読まずに、気楽に珀に話しかける。
「妄想。」
「へぇー。そっか、…ヘソk」
「言うな。それは通信子供教育のコマーシャルだ。」
((…子供チャレ●ジ?つーか、〈滅-メツ-〉の副総長を止めるって、…アイツ何者?))
クラスが一つにまとまった瞬間だった。
そして少し空気がほのぼのとしてきたとき(クラスメートは複雑な空気だが)、
―――ガラッ
教室のドアが開き、一人の男が姿を現した。
それを見た瞬間、藍の身体は少し強張る。
「……秋月…漆夜。」
その男は、漆黒の黒髪を揺らす、〈轟-ゴウ-〉総長。
――秋月漆黒だった。