滅 ―不良と不良の恋愛論―



藍は後退りしそうになるが、自分も一端の総長。

そう簡単に退くわけにはいかないと思い、踏みとどまった。



「何でもクソも、俺もこの学校の生徒だ。…残念なことに、学年は一つ違うがな。」


「残念じゃないね。うん。超嬉しいな、僕は。」


秋月漆夜が二年生だと分かり、少々ホッとする藍。


「てゆーか、僕が言ったのはそういう意味じゃなくて、何でこのクラスにいるのかってことなんだよね。」


と、藍が言うと、騒ぎ出すクラスメートたち。



「てんめぇ、総長が来て何が悪いんだよ!」


「総長はおサボリ中なんだよ!」



(…おサボリ中(笑))


藍は表情に出さずに、心の中でクスリと笑う。





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