滅 ―不良と不良の恋愛論―
ずいぶん、部下に慕われている総長だな、と感心する。
(あんまり関わってなかったけど……良い奴、なのかな)
藍はそう考え、
「秋月漆夜。改めて自己紹介するよ。僕は、松崎藍。―――敵になるかはアンタ次第、って感じかな。」
口角をあげ、不敵に笑いながら、右手を差し出すと
漆夜も、また右手を出し、蘭のそれを握って
「俺としては、仲良くしてえところだな。」
と、言って
ニヤリと笑った。
「仲良く、ねえ…。それは男友達として、と受け取っていいんだよね?」
「少なくとも、学校にいる間はな。」
なるほど。
学校外だと、僕を女と見たり、敵にしたりするわけだ。
腹の探り合い。
先ほどの会話には
この表現がピッタリだろう。