滅 ―不良と不良の恋愛論―
男装ガール
――――――…
「藍。お前、大事なことくらいあらかじめ言ってくれ。」
「は?大事なこと?マジ意味不なんですけどー。」
「変に性格チェンジするな。」
あの夜から数週間。
珀は昼間の喫茶店で藍に向かって怒鳴っていた。
なんか焦っている珀とは真逆に、藍は静かにコーヒーを口に含んだ。
と、いっても砂糖とミルクたっぷりの甘さバツグンなコーヒーだが。
「大事……ね。そこまで焦ること?」
「焦るだろ……。藍が男子校に行くとか。」
「しょーがないよ。親父が決めちゃったんだ僕知らない。」
「僕知らない、じゃねぇだろ。どうすんだよ……。」
どうやら
藍は男子校に転校することになったらしい。