相合傘
この3つの約束を言い終えると、健人は返事をしなくなった三月の名前を呼んだ。
三月は泣いていたのか、少し鼻声で返事をした。
それが嬉しいからだということは健人にも理解できたが、不安だった。

【一年のうちに、三月が居なくなったら・・・・】
そう考えてしまうのだ。無理もない。遠距離になってしまうのだから。
それもイキナリ、一年間という長い時間、会えもしないのだから。
とても18歳の青年が耐えられる不安ではないのだ。
< 16 / 49 >

この作品をシェア

pagetop