相合傘
翌日、健人は、有沢大学付属病院へと、足を伸ばしていた。

『ここだな・・。』
三月の通う病院に着くと、担当医に話を聞いた。

『先生・・。三月は・・三月は・・本当に心臓が悪いんですか?』

『はい。三月ちゃんはもう長くないでしょうね。』

『あと何年くらいは・・・』

『恐らくですが・・。あと3年持てばいいほうだと・・。』

『そんな・・。』

『ですが、我々医者も人間です。100パーセントそうなるとは言い切れません。
それに、三月ちゃんの最後を伸ばすことはできても、死期を明確にするのは難しいんです。』

それだけ言われた健人は、お礼を言って家に帰った。
明日は、健人の会社説明会だ。
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