CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
「シン!
今日は宜しく頼むな!」
『任せとけ!
バッチリ決めてやるぜ!』
「しかしまぁ、本堂さんも良く今回の音響担当をシンに任せたな!
音響チームのキャプテンとは!
責任重大だな?
長丁場だし。」
『アウトラインは出来上がっているし、殆どコンピューターに入力しての作業だから、大したことないさ!
あとは、タイミングさえ外さなかったらだけどな!』
「マジで宜しく頼むな!
スポットは手動だから気をつけないとな!
照明担当も兼任しているんだよな!」
『スポット担当の6人は、全員本社から連れて来たスタッフだから大丈夫だろ!
問題は、俺達よりもテジュンだろ!
ダンス踊るってマジかよ?』
「大丈夫だよ!
実は彼、高校時代に良くクラブで踊っていたそうなんだ。」
『エ~ッ!
ホントかよ!?
わかんないもんだなぁ…!』
「俺もソナから聞いて30分くらい笑いが止まらなかったぜ!
想像できねー!ってな。
でも、リハーサルの時に見ていたら、結構様になっていたんだぜ!
踊りのセンスもあるみたいだよ。」
『人は見かけによらないよなぁ!』
『誰が見かけによらないって?』
「アッ!
テジュン!
いたのか!」
『俺のウワサをしていたから、くしゃみが止まらなかったぜ!』
「ハハハハ……!」
『ところでシン!
オープニングだけ、ベースのbassのレベルを3つ程下げてくれないか!?』
「一体どうしたんだい?」
『低音を抑えた方が、KYUの声を引き立たせられると思ったもんでな!』
「一発目がKYUのシャウトからだからな!
分かった!
任せとけ!」
『宜しくな!』
打ち合わせも終わり、全員が控え室に集合した。
円陣を組んで、気合いを入れ直し、30分後に迫ったライブ開始を待った。
小さめのライブだが、精一杯観客を楽しませるぜ!
そして、いよいよ観客席の照明が落ち、XYZが演奏するオープニング曲のイントロが館内に鳴り響きはじめた。