CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
『そこのところは、まだ良く分かっていませんが、在韓華僑の新しいリーダーが、どうやら本土の青紅(チンホン)マフィアと関係が有るのは分かっています。
彼らは、韓国芸能界から日本にタレント達が活動の場所を広げていったのを羨ましく思っていると言うのは確かで、中国も同じ様に日本へ向けて活動の拠点を見いだそうとしていました。
しかし、韓流ブームに圧されて悉(コトゴト)く失敗に終わっています。
多分、その辺の事と関係有るのではないでしょうか?』
「なるほど…
要するに、中国マフィアが日本で芸術活動したいから、そのための足掛かりとして韓国のプロダクションを手に入れようとしていて、そのためのターゲットがうちの新星musicという訳だな!
仮にそうだったとして、何でマフィアが芸術プロダクションを…」
『それは簡単な話ですよ!
中国から日本への入国審査って言うのは、かなり厳しいんですよ。
なんといっても、まだまだ共産圏のイメージは抜けていないし、違法な物を持ち込んで来る可能性が高いですから。
それに比べて韓国は、日本に対して友好的なイメージを出していますから、入国審査って言うのはかなりアマいんですよ!
特にショービジネスの場合、女性タレントに対してのボディチェックなんて有りませんからね!
荷物に関しても、ダンサーやシンガーの着る衣装の箱は、X線チェックだけですから!
要するに、かなりしっかりしたケースか袋に入っている麻薬なんかは、よっぽどたれ込みが無い限りは見つからないって言う事です。』
「成田空港には、麻薬Gメンも麻薬犬も居るじゃないですか?」
『韓流の大スターに麻薬犬を近づける税関スタッフは、今の日本の空港には居ないと思いますよ!
なんてったって、日韓友好問題に繋がりますから。』
「そんな事になっているんだ!」
『偽造パスポートで無ければ、殆どフリーパスでタレント達は入国してるから。
チャンスさんの会社は、特に今まで問題起こした事も無いし、納税もきちんとしていますから、手に入れられたならば、日本国内に麻薬持ち込み放題でしょうね!』