CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
桧山マネージャーの〆の言葉で、俺達は解散した。
美racle/Ladyは、安田マネージャーが連れて帰った。
後のXYZ全員で、久しぶりに俺のマンションに遣ってきた。
週末と言う訳で、リビングを挟んで南側に在る俺の寝室では、テジュンの妹のソナが眠っている。
皆、順番にシャワーを浴びてから、リビングを挟んで北側の12畳の部屋に布団を敷いて眠った。
俺が寝室に入ると、寝ぼけまなこのソナが手探りで俺にしがみついてきた。
愛おしいソナの頬に軽くキスを落とすと、目を覚ましかけたのか微かな声で
『お帰りなさい。』
と言って、また小さな寝息をかき始めた。
俺も小さな声で
「ただいま!」
と言ってから、もう一度ソナの髪に唇を押し当ててから、シャワーを浴びに部屋の奥の扉を開けて入っていった。
そこには、この部屋備え付けのシャワールームが在る。
リビング横にあるシャワールームよりは狭いが、一応ユニットタイプのトイレ付きシャワーバスである。
翌朝、6時に起きて全員でケントの作ってくれたクラブハウスサンドとコーヒー、それにソナの作った茹で卵とをたいらげ、急いで新星MUSIC日本支社へと向かった。
『おはようございます。』「おはようございます。」
次々と挨拶を交わしてから、俺達は新しい現場マネージャーの南原さんが運転する車で、ひまわりテレビに向かった。
美racle/Ladyは、安田マネージャーと共に後ろから付いてきている。
今日もCDの宣伝である。
午後からは、歩行者天国でのゲリラライブも予定されている。
昨日の疲れが抜けないまま、俺達はひまわりテレビでCDの宣伝をしたあとインタビューを受け、俺が通訳もやりながら美racle/Ladyの売り込みをした。
局内スタジオで演奏して、生放送が終了した!
軽く昼食を取った後は、歩行者天国でのゲリラライブを行った。
いくらゲリラライブと言っても、ちゃんと警察には事前に届け出ている。
それが、許可も取らない本当のゲリラライブなら、そのタレント達は韓国へ強制送還されてしまうのだ。
興行査証(タレント活動用ビザ)を剥奪されての強制送還は、会社にも大ダメージなのだ。
だから、外国人タレントのゲリラライブって言うのは殆どの場合、前もって分かっているのだ。
知らないのは、一般通行人だけなのだ。