CHANCE 2 (後編) =Turbulence=




『皆さん、交代でヒョン(アニキ)に付き添ってましたから、今朝まで居ましたジョージさんは帰って仮眠をとるそうです。

テジュンさんは、ケントさんと待合室でコーヒー飲んでいると思います。

まだ、ヒョン(アニキ)が目を覚ましたの知らないので。』


俺は、少し小声で


「そっかぁ!

ソナには?」


と聞いてみた。


まぁ、特に聞かれて困る訳じゃないし、ハングル語なのでわからないから聞かれても良いんだけど、ひょっとすると記者さんがドアの向こうに居ないとも限らない訳だから。


慎重にしておいて損はない!


『ソナさんは、テジュンさんとソラと3人でやってきて、お医者さんからの説明を聞いたり、花を活けたり、ヒョン(アニキ)の体を拭いたりと色々頑張ってました。

毎日学校帰りにもソラと来てました。

ここのドクターって、社長さんの知り合いなんですね?』


「あぁ、小さい時から俺はここの病院にかかっているよ。

アボジ(親父)が、初めて日本で知り合ったドクターだそうだ。

何でも、日本に来てすぐに風邪をこじらせて、お世話になったのがさっきのドクターなんだって。」


『そうでしたか。

凄く親切にしてくれました。

記者さんや報道陣なんかも完全にシャットアウトしてくれてます。』


「ハハハ、あのドクター自身が元々記者が嫌いだから助かるよ。」


『それから李支社長が、白川GMと一緒にお見舞いに来てました。』


「マジで?

珍しいなぁー!

大抵いつもなら、早く直して戻って来い!って言いそうなんだけどな!」


『今回は、ヒョン(アニキ)が階段から落ちて、頭から血を流して意識不明なんですってシンさん(天道新テンドウアラタ=新星MUSIC社員=本郷スタジオ勤務)が会社に連絡入れましたから…。』


「シンも慌ててたんだろうなぁ。」


『そりゃあもう大変でした。

シンさんが救急車呼んで、ここの病院を指示したり、着替えの手配から入院の手続きまで、殆ど彼がやってました。』


「それじゃあ、音響主任じゃなくて、まるで俺の専属マネージャーみたいじゃん!

って、桧山マネージャーは?」


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