CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
「アボジ(親父)が!?
マジかよ!」
『仕方ないさ!
今回は諦めなきゃ。
どのみち、練習不足だし。
特番(特別番組)の収録が終わっていて良かったよ。
それから、年末年始は仕事入ってないから。
年明けは、7日に雑誌の取材とラジオの生放送だけだって。
今回の事故に対する記者会見は、7日の雑誌の取材の後、ひまわりテレビの報道フロアで昼間のワイドショーにあわせて生放送でやるそうだぜ。』
「分かった。
取りあえず、それまでは大人しく治療に専念しとくよ。」
『そうだな!
俺の妹も心配しまくっていたから、安心させてやってくれよ。』
「ソナは今どこにいるの?」
『妹はチャンスの実家にいるよ。
もうすぐ空ちゃんとお前のお袋さんと3人で着替え持って来るそうだ。』
「学校は?」
『もう冬休みさ!
講習会やセミナーが有るから、もう少し登校しないといけないって言ってたけどな!』
「アッ!
大学の後期試験が…」
『あぁ、範囲が発表になっていたぜ!
年明け早々に直ぐ始まるから、今の内にここで勉強しないと!
ジョージも昨晩は付き添いながら、ここで試験勉強してたぜ。』
「だよなぁ。
教育学部の試験って、2単位の必修教科がハンパ無く多いし、難しいんだよなぁ。
今年の正月明けも、苦労したもんなぁ…。」
『レポートも多いってジョージが言ってたぜ。』
「おっと!
忘れてたよ。
この間、単位がヤバいから教授に相談にいったら、公開講座の
《臨床心理学とセクシュアリ その多様なあり方》
を聴講してレポートを提出しなさいって言われてたんだ!」
『アハハ大変そうなレポートだな!』
「その上、レポートを暗記理解して、学部生の前でプレゼンテーションしないといけないんだぜ。」
『教育学部ってさぁ、100人そこそこしか居ないじゃん!
大変じゃない?』
「まぁ、講義によっちゃあ3~4人しか居ないから、下手に休んだら、教授が教室にいったら誰も生徒が居ないなんてしょっちゅうだし、或る講義の教授からは直接電話が入ってくるんだぜ。」
『教授から?』
「あぁ!
講義を受ける生徒が一人も居ないから出ておいでって言われたよ!」