CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
3. New face
あの後、結局1週間病院で過ごした。
クリスマスには、ソナがミニスカサンタの衣装でお見舞いに来て、朝まで付き添ってくれた。
そして12月31日の朝、俺は無事に退院することができたのだ。
それぞれの正月休みを終えて、1月6日の金曜日、XYZのメンバー他、CARM、KaYa、Twinkleそして美racle/Ladyなど音楽班や役者さん達芸能部は総勢43名、報道陣はアナウンサーから音声さんまで総勢24名、マネージャー、プロデューサー、ディレクター、理事会やら役員も集まって200名以上が1階の奥にある大講堂で会長からの新年の挨拶を聴いている。
各店にいるスタッフ達は、1月4日に集まって、新年の挨拶を終えて営業に入っている。
Spot Lightは、3店舗合同で1月3日に新年の挨拶を兼ねた新年会のパーティーをやった。
年末は、俺が入院していて渡せなかったので、新年会で石田・小峰・中山の3人の店長にそれぞれ150万円ずつボーナスを渡した。
小峰店長が、
『十分過ぎる給料を貰っているのに、ボーナスまで頂けるなんて、本当にありがとうございます。』
と、仰々しく言ってきた。
石田店長は、金額を見て
「マジで150万円!
真面目にやってきて良かった~!」
と、大喜びしていて、中山店長は、
『お袋に全部渡します。』
と、親孝行な事を言っている。
「中山店長は、全額お袋さんにあげるんですか?」
『はい。
父が去年亡くなり、今は俺の妹と二人で生活していて、妹はバイトを掛け持ちしながら専門学校に通っているんです。
お袋も、パートでスーパーのレジ打ちして、裕福な生活とは言えませんので。』
「妹さん専門学校って、何やってるの?」
『妹の美姫は、東京アナウンススクールに通っているんです。
今度2年生になるんで、学費もかかるし、今は俺が家計を助けなくっちゃいけないもんで。』
「良かったらさぁ、妹さんをうちのアナウンス部に預けてみないですか?」
『良いんですか?
まだアナウンサーとしての基本的な事しか習っていないんですよ?』
「うちにいる小柳杏奈アナウンサーいるでしょ?
彼女も、アナウンススクールに通いながら、うちでアナウンサーの仕事していたんですよ。」