CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
『実はね、今月末でうちの1階のテナントが閉店しちゃうんだよ。』
「もしかして、あのハンバーグのファンキーバーグが出て行っちゃうんですか?」
『あぁ、そうなんだよ。
何でも、チェーン展開し過ぎて、都内だけでも60店舗以上あるだろ!
結局、チェーン店同士で顧客の取り合いは良くないとかで、一気に半分に規模を縮小して、県外に出店し直すそうだよ。
そして、うちの店舗も撤退させるそうだよ。
あそこは75坪あるから、困るんだよなぁ。』
「って事は、もしかして第2NSスタジオの1階にSpot Light4号店を出店して欲しいんですね!?」
『さすが高山常務、察しが早いですね!
どうでしょう?
お願いできますか?』
「それは全然問題ないですけど、アボジ(親父)、やりたかったんだから、アボジが遣れば良いのに!?」
『一から始める面倒臭さは、俺の方が良く知っているんだよ!』
「だから、出来上がったら寄越せって、酷くないですか?」
『ハハハ、まぁ千葉店長もこうして頼んでいるんだから、助けて上げなさい。
あそこの家賃は、通常55万円なんだけど、40万円に負けといてあげるからさ!』
「分かりました。
それじゃあ、早急に段取りして、今回も新星MUSICの留学生を借りますね!」
『あぁ!
好きにしなさい。
チャンスに全て任せるから!』
「もう、本当にアボジ(親父)は適当なんだから。」
早速俺は、高校時代の同級生だった親友のヒロに電話を入れた。
ヒロは水谷工務店の息子で、現在親父に付いて修行中なのだ。
「ヒロ、久しぶり!
って言うか、遅くなったけど、明けましておめでとう!」
『おっ!
チャンス!
おひさのアケオメ!
どうしたんだい?』
「実は、またまた出店する事になってさ。
ヒロん所で内装工事を頼もうかと思ってさ!
新宿にある75坪の物件なんだけど、ファンキーバーグって知ってるよな?」
『チャンスの会社のすぐ近くのNSスタジオの1階だろ!』
「あぁそうだ。
あそこのハンバーグ屋さんが撤退して仕舞うんだよ。
だから、また頼むな!
ダクトや厨房やある程度使えるのは、そのまま使って、インテリアとかはこっちで先に手配するから、それらのインテリアに併せた設計を頼みたいんだ。」
『いいぜ。
じゃあ、2月の頭に現場入らさせてもらうよ。
そっから、設計して見積もりだすわ!』
「宜しくな!」
『任せとけ!』