CHANCE 2 (後編) =Turbulence=





6月17日(日曜日)


今日は、Native Gardenのライブが都内で行われると聞き、ライブチケットを手に入れておいたのだ。


今日は、オールスタンディングで600人収容可能なShibuya O-WEST(しぶやオーウエスト)でのライブだ。


俺も、高校時代に何度か合同ライブをしたことがある懐かしいところだ。


このビルは、5~6階もライブハウスになっているのだ。


入場開始時間になり、中に入ると以前のスタッフは居なくなり、知らない面子ばかりであった。


俺とジョージは、出来るだけ前に陣取り、柵に掴まり開演時間を待った。


すると、そこにリーダーでリードボーカルの高橋さんが遣ってきた。


彼は32才で、元々は陸上自衛隊に居た経歴の持ち主だと書いていた。


まぁ、情報が少ない上に今回は時間も余りないからネット調べだ。


『もしかして、XYZのチャンス君とジョージ君だよね?!』


「「はい、そうです。」」


『ウチらのライブ初めてだよね?!

ステージ袖から君らの顔が見えて驚いたよ。』


「はじめまして!」『宜しくです。』



「俺等みたいなヘビーメタルも聴くんだ?!」


『まぁ、ジャンルは問わずに色んな曲調の音楽を聴きますし、演奏もします。』


「そうなんだ。

まぁ、最後迄楽しんで行って!」


『は~い!』


「ライブ終わったら残っててね!」


と言ってステージ裏に消えていった。


そして、3時間近くに及ぶ彼等のライブも、いよいよ佳境へと入ってきた。


『みんな、聞いてくれ!

今日は、XYZのチャンス君とジョージ君が俺らのライブに遊びに来てくれた!

彼等の曲をここで1曲聞いてくれ!

sacrificedだ!』


聞き覚えのあるイントロが流れてきた。

♪~
The landscape

covering the window

Looking like a

sadly sky

Hightest sky sacrificed

made by modernized society


KYUの歌声よりも、低く荒々しい歌声が響く。


何故か俺の作ったSacrificedには、高橋さんの歌声の方がマッチしているようにきこえた。


そして終わった彼等のライブ、500人以上の観客は、興奮した状態で口々に今日のライブの事で盛り上がっている。

中には、俺達に握手を求めて来る人も居たが、混雑することなくライブ会場を後にしていった。


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