CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
今度は俺達の番だ。
『おいらは、森本ジョージ、呉服屋の若旦那って呼ばれてたりもします。
T大の教育学部3年生。
キーボードです。』
「俺は、高山寿生。
本名は高長寿(コ・チャンス)、在日韓国人。
新星グループの常務取締役を兼任しています。
T大の教育学部3年生。」
『だから、チャンスって名前なんだ。
いやぁ、知らなかった!』
「ベース担当のテジュンも、そうなんですよ。
韓国では、泰俊って書いてテジュンって読むんですよ。」
『ボーカルの子はKYU君って言ったっけ?!
何でKYUなの?』
「彼の本名が、朴需と書いてパク・ユって読むんですけど、それをローマ字表記にして、PAK YUをPとAを外してKとYUをくっつけたって感じです。
うちの親父が命名したんですけど、本人も気に入ってるみたいです。
トレードマークは、KYUをもじってQとかって書いてたりしてますよ。」
『なる程ねぇ!
ところで、俺らのライブに来た本当の目的は?
秋菜の親父っさんに頼まれた?!』
「エッ!!!
どうしてそれを?」
ってジョージ、何驚いてんだよ!
これじゃあ、バレバレじゃん!
『やっぱりな!
おい、ヒデ!
お前、彼女に信用されてねぇのか?』
「そんなことないっすよリーダー!」
『チャンス君、ちゃんと教えてくれるよね!?』
「えぇ、まぁ。
実は、お世話になっている藤本教授が娘さんから、今度結婚相手を紹介されるんだ。って言ってたから、同じミュージシャンだから、どんな人かなぁって見にきただけですよ!」
って、封印の指輪を外した俺は、力を解放して、俺の話を信じるように頭の中に命令してから話した。
そしたら、俺の力によって信じた彼らは、
『『『『な~んだ!』』』』
と、声を揃えて納得してくれた。
隣で見ていたジョージは、あまりの呆気ない信じっぷりに驚いているから、ジョージの頭の中に直接、
《ジョージは、ここでの話は、素直に受け止めること!》
とインプットしておいた。
「ところで鶴海さん、少し聞いても良いですか?」
と俺が切り出すと、一瞬警戒したように見えたが、それもすぐに俺の力で真実しか喋れないように成って貰った。