CHANCE 2 (後編) =Turbulence=



今度は俺達の番だ。


『おいらは、森本ジョージ、呉服屋の若旦那って呼ばれてたりもします。

T大の教育学部3年生。

キーボードです。』


「俺は、高山寿生。

本名は高長寿(コ・チャンス)、在日韓国人。

新星グループの常務取締役を兼任しています。

T大の教育学部3年生。」


『だから、チャンスって名前なんだ。

いやぁ、知らなかった!』


「ベース担当のテジュンも、そうなんですよ。

韓国では、泰俊って書いてテジュンって読むんですよ。」


『ボーカルの子はKYU君って言ったっけ?!

何でKYUなの?』


「彼の本名が、朴需と書いてパク・ユって読むんですけど、それをローマ字表記にして、PAK YUをPとAを外してKとYUをくっつけたって感じです。

うちの親父が命名したんですけど、本人も気に入ってるみたいです。

トレードマークは、KYUをもじってQとかって書いてたりしてますよ。」


『なる程ねぇ!

ところで、俺らのライブに来た本当の目的は?

秋菜の親父っさんに頼まれた?!』


「エッ!!!

どうしてそれを?」


ってジョージ、何驚いてんだよ!


これじゃあ、バレバレじゃん!


『やっぱりな!

おい、ヒデ!

お前、彼女に信用されてねぇのか?』


「そんなことないっすよリーダー!」


『チャンス君、ちゃんと教えてくれるよね!?』


「えぇ、まぁ。

実は、お世話になっている藤本教授が娘さんから、今度結婚相手を紹介されるんだ。って言ってたから、同じミュージシャンだから、どんな人かなぁって見にきただけですよ!」


って、封印の指輪を外した俺は、力を解放して、俺の話を信じるように頭の中に命令してから話した。


そしたら、俺の力によって信じた彼らは、


『『『『な~んだ!』』』』


と、声を揃えて納得してくれた。


隣で見ていたジョージは、あまりの呆気ない信じっぷりに驚いているから、ジョージの頭の中に直接、


《ジョージは、ここでの話は、素直に受け止めること!》


とインプットしておいた。


「ところで鶴海さん、少し聞いても良いですか?」


と俺が切り出すと、一瞬警戒したように見えたが、それもすぐに俺の力で真実しか喋れないように成って貰った。



< 147 / 371 >

この作品をシェア

pagetop