CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
食事が終わって、俺はソナ(俺のフィアンセ)と一緒に本郷に在る俺のマンションに遣ってきた。
「今日はどうする?」
『久しぶりに泊まっていく!
春休み中だし、バイトも無いし、
チャンスオッパも休みなんでしょ?』
「あぁ、今日はもう何も無いよ!
じゃあさ、後でKYUとソラ(俺の妹)と一緒にケントん家(洋食レストランのオルタンシア)でディナーでもどうだい?」
『久しぶり!
私、あそこのカボチャのビシソワーズも好きだし、カモのソテーもたべたいよ!
オレンジソースが最高に美味しくて、カモのロースがとっても柔らかくても病み付きになる美味しさだもんね!』
「相変わらずソナは、カモのロースにはまりまくりだな!
この前もカモ頼んでたもんなぁ!」
『あの美味しさは、一度味わうとまた次に食べたくなる、まるで魔法の料理なんだから。
ケントさんもいずれ、あんな風に料理出来るようになるんだよね?』
「今でも、結構料理上手なんだよ。
来月から、フランスに料理の修行の為に留学するから、帰って来たら凄くなってるだろうな!
ところでソナは料理出来るようになったの?」
『え?
ちょっと良く聞こえなかった!
何か言ったオッパ?』
「都合悪くなると、聞こえないふりかい?
まぁ、のんびり上達するのを待っているよ。」
『‥‥‥ハハハ‥‥‥‥えへへ!』
「ところで、新星MUSICでのバイトはまだ当分続けていくの?」
『そうねぇ、広報のモデルは続けたいなぁ。
秘書課の仕事は、もういいや!
退屈だしね。
今やってる総務課のお手伝いは、ホントに大変だけど、遣り甲斐もあるんだよ。
だから、総務課のバイトはもうしばらくやるつもり。』
「そっかぁ!
総務課は、備品の管理からタレント送迎やロケのバスや車両全般、株主総会の段取りから社会保険の手続きもやるし、給料の管理まで、兎に角何でもかんでもやるところだから、覚えていて損はないので良いんだけれど、無理だけはすんなよ。」
『オッパは心配性なんだから。
ちゃんと、夜の8時までには帰るようにしてるから。
それに、ソラちゃんも一緒だし。』
「大学の方は、どうだい?
来月から2年生だよな!
単位は大丈夫か?」
『ちゃんと取ってるよ。
去年は、私用で休んだのはインフルエンザにかかって、1週間休んだだけだよ。
あんときはしんどかった!
チャンスオッパが、朝まで看病してくれた時には嬉しかった!』
「こっちは、ソナがハーハー荒い息しながら寝ているし、体温計ったら40℃近いし、気がきじゃなかったんだから!」
『ホントにありがとねぇ!
オッパ、携帯が点滅しているよ!』
「ホントだ!
誰からだ?
って、ソラか!
もしもし!
ソラ!
どうした?」
『お兄ちゃん!
お父さんが‥‥さっき‥‥突然倒れて!』