CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
荷物を後部扉から積み込み、全員バスへ乗り込んだところで、先程から荷物を積み込むのを手伝ってくれてた男性が、運転席へと向かった。
するとミスターリーが、
「ミスターコウ、覚えているかい?
私の息子のKevin(ケビン)だよ。」
『おぉ~!こんなに大きくなったのかい?
最後に会ったのは、確か10才の時だったかな!』
「ご無沙汰してますミスターコウ。
もう25才に成りました。
チャンス君は元気にしてますか?」
『一緒に来ているよ。
チャンス、彼はミスターリーの息子さんで、李啓彬(イ・ケビン)君だよ。』
「初めまして!
高長寿(コウ・チャンス)です。
今回は、宜しくお願いします。」
『初めましてチャンス君。
叔父様から以前写真を送って貰ってたのを見ていたから、初対面な感じがしないんだよな。
俺は、
ばあ様がハワイの人だからクォーターなんだけど、同じ韓国人だし、宜しく頼むな!』
「こちらこそです。
ケビンヒョン(ケビン兄貴)って呼んで良いですか?」
『良いよ!
一緒に来ているのは君の友達かい?』
「紹介しますね!
こっちの厳つい男前が林泰俊(イムテジュン)でこっちの女性が奥さんの辻美里(シフミリ)さん。
こっちのオールバックの男前が森本讓次で、この子が彼女の堀井那奈ちゃん。
二人は、今年の10月に結婚する事になっているんです。
こっちの爽やか系の男前が朴儒(パクユ)でこれは俺の妹のハヌル。
二人は付き合ってるんだ。
うちのアボジ(親父)が、娘命みたいなところがあって、二人の交際が許されるまで大変だったんだ。
そして、彼女が俺の婚約者の林善雅(イムソナ)。
テジュンの妹なんです。
後2年。彼女が大学を卒業したら結婚するんです。
あとは、うちのアボジとオムニです。」
『皆さんケビンです。宜しくお願いしますね!
それでは、今からワイキキリゾートに向かいます。
20分くらいで着きますので、喉の渇いた人は、こちらの冷蔵庫に色々ジュースが入ってますから、ご自由にどうぞよろしく!』
ケビンヒョンの運転で、ワイキキリゾートってところに向けてスタートした。
外の景色はココヤシの木や、ハイビスカスの灌木など、南国をイメージさせるものがいっぱいである。
皆、携帯の写メでバシャッバシャッ写真を撮ったりしている。
「チャンス、彼は日本語は話せるのかにゃ?」
『さぁ、聴いてなかった。
英語とハングル語はペラペラみたいだけどな。』
「まぁ、ここに居る間は英語だな。
チャンスは、ホントにハングル語も英語もペラペラだな。」
『今さらだけど、言ってなかったけど俺さ、広東語と北京語もしゃべれるんだ。』
「そうだったのか!
おいらも、負けてられないにぁ。」
『ジョージだって、日本語以外に、英語とフランス語と北京語とタガログ語が話せるんだから、大したもんだよ。』
「皆さん凄いんですね。
私は英語とタガログ語と日本語だけだから。
大学にいた時は、選択でドイツ語 を専攻したけど、全然しゃべれないもん。」
『ナナちゃんは、英語とタガログ語がペラペラなんだから、それで良いのら。』
「そうよ。
私だって、いつかはユーオッパ(朴儒の事)と結婚出来るようにハングル語を勉強中だけど、全く頭に入らないんだから。」
『ソラは、ハングル語の前に料理の勉強しないと、ユー君に捨てられるぞ。』
「ユーオッパ、捨てないで~!」
『ハヌル、心配しなくても捨てないよ。
チョンチョニ チョンチョニ!(ゆっくり ゆっくり!)』