CHANCE 2 (後編) =Turbulence=





6時になってクラブハウスの3階に行くと、ほんのり日焼けしているジョージとナナちゃんがいた。



「あれ?もしかして、もう泳いできたの?」



『違うのら!

テラスで寝そべって、ナナちゃんと一緒にトロピカルドリンクを飲みながら海を眺めていたら、いつの間にか二人ともうたた寝していたのら!』



「日焼け止め塗るのも忘れていたの~!」



『ハハハ‥‥、ところで皆は?』



「もうすぐ来ると思います。」



『アッ、チャンスオッパ、来たよ!』



「皆、お待たせ!

ミスター リーも、もうすぐしたら子供たちと来るそうだよ。」



『子供たち?

ケビンヒョンの他にも兄弟がいたんだ。』



「あぁ、ケビンには1才上のお姉さんがいるんだよ。

ほら、リーさん一家もやって来たよ。」



『いやぁ、お待たせしたね!

家内がなかなかオメカシし終わらなくてね!ハハハ!』



「私たちも今来たばかりですよ。

それでは、中に入りましょうか。」



と言う訳で、アロハシャツを着た二十歳くらいのウェイトレスに案内されて、サンセットが一番綺麗に見えるであろうテーブルへと向かった。



俺達10人とリーさん一家4人の、計14人が向かい合って、長いテーブルに座っていった。



そこで、ケビンヒョンのお姉さんって方を紹介された。



『娘のJully(ジュリー)だ。

ジュリー、パパの親友のミスターコウさん家族とご友人方だ。』



「初めまして。

ジュリーって言います。

ほんとの名前は、李珠璃(イ・ジュリ)って言うのよ。

ケビンの1才上の26才。

パパの会社のお手伝いをしてるわ。

2階にあったフラダンス体験スクールや、売店も私がやってるの。

後は、スキューバダイビングのインストラクターも出来るから、波が穏やかな日には、皆で潜りに行きましょ!

浅瀬でシュノーケリングって言うのも出来るから、明日にでも如何かしら?」



『ご結婚されてるのですか?』



「好きな人は居るんだけど、なかなかプロポーズしてくれないのよねぇ……」



『姉貴の彼氏って、ここで親父の下で働いているスタッフなんだ。

めっちゃ優しい人んだけど、親父にビビってなかなか告白しないんだ。

親父も、それを知ってて気付かないふりして見守ってんだけど、かれこれ3年姉貴は待たされているんだ。』



「へぇ~!大変なのら!」



『ケビンヒョン(ケビン兄貴)は?

彼女居るの?』



「‥‥‥」



『弟の彼女はねぇ、今本土に留学中なんだ。』



「本土?」



『あぁ、アメリカの大陸側の事よ。

今は、カリフォルニア州の大学に通ってるの。

海洋動物の研究がしたいからって、ハイスクールを卒業して直ぐにあっちの大学に入って、来年度卒業予定の現在21才。』



なんか、めっちゃ大変そうな遠距離恋愛だ。



年に2回くらいしか会ってないそうだ。




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