CHANCE 2 (後編) =Turbulence=





「それにしても、アイツの名前は面白かったな!」



『露彬(ロビン)、お前だって人の事言えないよ!

結構変わった名前してるんだから。』



「俺の名前は、韓国語での意味を持ち、尚且つ響きが外国人っぽいのって親父が考えて付けてくれたんだから。」



『ところで、裴(ぺ)さんの下の名前って何なんですか?』



「洋國って漢字で書くんだ。」



『プッ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥プハハハハ!』



「チャンス、そんなに面白い名前なのか?」



『知りたいのら!』



「洋は、ハングル語で【ヤン】って読むんだ。

そして國って言うのは、【グク】って発音して読むんだけど、グクのクの方は殆ど聞こえないくらいのサイレントKの発音だから、パッときいたらグッてきこえるんだよ。

そして名字が【ぺ】だから、彼のフルネームは‥‥‥‥」



『分かったのら!

ペヤングなのら!

焼きそばっぽい名前だよ~ん!』



「日本にいたら、笑われていたかもな!」



『タラシの裴(ぺ)ってあだ名が付くって事は、相当な女好きだったんですか?』



「ひどいもんさ!

なぁ賢主(ヒョンジュ)。

アイツは常に5~6人の彼女と付き合ってたよ。

日替わりなんて言いながら、毎日ローテーション組んで会ってたよな!」



『そうそう、たまにローテーションが狂って、彼女同士がバッティングして、良くケンカになってたもんさ!』



凄く内容の話を、普通に話しているこの二人に呆れながらも、



「リーさんは、今でも音楽は遣ってるんですか?」



ど、聞いてみた。



『あぁ、パフフラとかプニウやイリイリといったフラの時の演奏に使う打楽器があるんだけど、それをたまに叩いたりしてるな。

それと、昔の友人なんかが遊びに来てくれた時には、野外ステージで懐かしの60年代のアメリカンロックやUKロックなんかを演奏して、楽しんでもらってるよ。』



「へぇ~!何か楽しそうですね!」



『なんなら君達も、良かったら野外ステージで演奏してみるかい?

君達も、何か楽器出来るんだろ?』



「はい。

俺達、アボジ(親父)の遣っていたXYZの名前を貰って、日本でXYZって言うロックがメインのオールラウンドのバンドを組んでメジャーデビューしてました。」



『賢主(ヒョンジュ)、お前は自分の息子を芸能界に入れたのか?』



「入れたって言うか、自分で飛び込んで来たんだよ。

ここに居る4人と、今フランスに居るドラマーの5人でXYZって名前で!

それでも、こいつらは凄いぞ!

シングルは、ミリオン越えが6曲と、アルバムは、チャレンジアルバムって言う色んなジャンルにチャレンジしたアルバムを毎年出して、全てミリオン越えてたし、ベストアルバムも4枚出して全てミリオン越えだよ。

後、携帯用の着メロなんか、30曲以上150万ヒット越えだぜ!

我が息子ながら、恐れ入りますって感じだよ。

その上、大学卒業と共に解散したもんだから、ファンにしてみりゃもの足らないわけだよ。

だから、DVDやフォトアルバムを出すと、直ぐに完売だよ。

まぁ、このボーカルの彼とうちの息子だけは、まだ現役ミュージシャンなんだけど、このテジュン君のベースとジョージ君のキーボードも、芸能界を辞めたとはいえトップクラスのプロの腕前だからな!」



それを聞いたミスター リーは、目をキラキラさせて、あることに思いを馳せていた。




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