CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
ホテルの在るここは、52nd.ストリートだ。
カルフォルニアみたいな世界最大級とは言えないが、マンハッタンの32nd.~35th.ストリートにも小さなコリアン・タウンがある。
俺は、ホテルからノンビリ歩いて五番街まで遣ってきた。
ブロードウェイを境に、左右にウェストとイーストに通りの名前が分かれているが、ここから六番番街までにコリアン・タウンがあるのだ。
俺は、雪濃湯(ソルロンタン)が食べたくなったので、west 32nd.にある【カムミオク】と言う韓国料理店に入っていった。
御飯と壺入りキムチ、ソルロンタンとマッコルリを1杯で12$と、かなり良心的な値段設定のお店であった。
店を出て、またノンビリと歩いてシェラトンニューヨークホテルまで戻ってきた。
時刻は現在、午後11時!
この時間から寝ることなんて殆んど無かったが、明日は朝8時には起きないといけないから、早めにシャワーを浴びて寝ることにした。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
翌朝、結局6時半には目が覚めて、ルームサービスでコーヒーと、朝食としてベーコンエッグとクロワッサンを持ってきてもらい、顔を洗って朝食食って8時半には向かいに在る会場の方に行ってスタンバっていた。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
時間と共に始まった第2関門!
課題は、早弾きであった。
渡された譜面64小節分、どれだけ早く正確に弾けるか?
それだけの課題である。
音響エンジニアで、音楽チーフプロデューサーの本堂さんに、さんざん楽譜通りに演奏しろと、鬼の様な特訓を受けてきた俺には、こんな譜面簡単すぎるくらいである。
だから俺は、より早く、より正確に、より美しい音色での演奏を心がけて、昼過ぎには第3関門を通過して、コリアンタウンへと来ていた。