ＣＨＡＮＣＥ 2 (後編） =Turbulence=

　



ヤバいよなぁ…


まさか、ＫＹＵ(俺達XYZってﾊﾞﾝﾄﾞの韓国から来たﾎﾞｰｶﾙ)が、アボジ(親父)にソラ(俺の妹)との交際を認めて下さいってお願いしているビジョンを観るなんて……


他のビジョンを観てみるか!


俺は、次のページを捲る仕草をして、アボジの未来を覗いてみた｡


「アボジ、俺達XYZの初のアルバムが100万枚突破して、日本支社でパーティーをしています。」


『ミリオンセラーか!

やったなチャンス!

って、話をごまかすんじゃない!

一体、何が見えたんだ!?』


「言えません｡

俺のビジョンを観たら良いじゃないですか!」


『オッ!そうだな!

チャンス、ソナ(俺の婚約者)とは、仲良くやっているみたいだな!』


「変なところは観ないで下さいよ!」


『分かってるって!

…どう言う事だ!?』


「何が観えたんですか!?」


『ハヌルちゃん(俺の妹の本名=通称名がｿﾗ)とＫＹＵって、いつから付き合ってるんだ!?』


「俺の口からは何も言えません｡

直接、本人達に聞いて下さい。」


『…………』


なんかアボジ、メチャクチャ落ち込んでるよ…｡


娘命みたいなところがあるからなぁ……｡


ハラボジは笑ってるし…!


「とにかく、ＫＹＵは真面目な交際をしているんですから、暖かく見守ってあげたら良いじゃないですか!」


『それはダメだ｡

ハヌルちゃんは、まだ高校２年生なんだぞ!』


「その高校２年生の同級生と婚約している俺は、どうするんだよ!?」


『それとこれとは、話が違うだろう!?』


「違わないですよ!

ＫＹＵには、アーティストって言うか芸能人としての立場を、きちんとわきまえて

ソラにも、彼氏が芸能人だっていうのを、ちゃんと踏まえてお互い理解仕合ながら付き合えって言ってますから｡」


『とにかく、日本に帰ってから話をするから、チャンス、お前にも同席して貰うからな!』


「むちゃくちゃだなぁアボジも!

娘の事となったら、周りが見えなくなるんだから!」


『何バカなことを言ってるんだ!?

俺は、ただ娘の心配をして……』「分かったから｡

アボジ、ちょっと落ち着きなよ!」


『あぁ…』


『賢主(ﾋｮﾝｼﾞｭ)や!

お主は、いい加減に娘離れしないといかんぞ!』






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