CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
今日は、タッカルビと御飯で昼食を済ませ、時間もタップリあるのでコリアン・タウンを散策することにした。
E(Eastの略)32nd.ストリートからE35th.ストリート辺りまでぶらぶら歩いて来たら突然後ろから、
「チャンスさん!」
と、呼び止められた。
まさか、ニューヨークに来てXYZのファンに出会ったのか?と思いながら振り返るとそこには、
『確かMUSIC LIFEの坂上さんじゃ‥?
え~っと、そちらはカメラマンの‥‥‥石毛さんでしたよね?』
「1度お会いしただけなのに、良く覚えておられましたね。
嬉しいですわ!
ところで、この時期にこちらに来ているって事は、チャンスさんもGold Stringsに参加されているんですか?」
『えぇ、そうなんです。』
「私達も、この大会の取材でニューヨークまで来ちゃいました。
デスクのキャップを説得して、わざわざニューヨークまで来たかいが有りましたよ。
まさか、元XYZのギタリストのチャンスさんも参加されていたとは、ラッキーですよ。」
『そんな大袈裟な!
ところで、今回注目しているギタリストって誰なんですか?』
「やっぱり前回の優勝者のUKのジム・フェルナンドだろうな。
UKロックの頂点に立つザ・モンスターズのギタリストだし、彼の双子の兄でブラック&ブラックのニック・フェルナンドも今回参加しているから二倍楽しみですわ。」
『B&Bのニックも参加しているんですか?
知らなかったぁ~!』
「参加者同士って顔合わさないのですか?」
『兎に角、出場者数が多いんで、最初は10組に分かれて予選を受けてるから、会わない人とはホントに第6関門まで会わないんですよ。
第5関門までは、ホントにお遊びみたいな課題で、第6関門からが本当の意味でのGold Strings大会の本選らしいですから。
俺が会ったのは、日本から来たSilver Wolfのギタリストの野村勝之さんと、韓国から来たクワンギョン(狂犬)のギタリストの李天璃(イ・チョンリ) 、後はまだ会えてない人ばかりだな!
何人か見知った人も居たんですが、既に予選落ちしちゃってますし。』
「野村勝之さんが来てるんですか?
こりゃチャンスさんも、ノンビリもしてられませんね?」
『たしかに野村さんは、めちゃめちゃ巧いですからね!』
「チャンスさんも頑張って下さいね!」
『ありがとうございます。
頑張ります。』
「そう言えば、第6関門からは日本のひまわりテレビで、Gold Stringsのもようを放送するそうですよ。
チャンスさんの活躍を全国の人に観て貰いましょうね。」
『ハハハ、取り敢えず頑張ってみます。』
「ところで以前お約束した、本誌独占の結婚取材の件、あれから進展はないんでしょうか?」
『そうでしたね!
彼女が二十歳になったらって話だったんですが、結局《大学卒業まで待って下さいね!》って言われちゃってねぇ!
後1年待って下さい。
必ずMUSIC LIFEさんで最初の結婚報告をさせて貰いますので。
その時は、4年前からシッテイタ経緯なんかも書いてくれて構いませんから。
だから、もう少しだけ待ってて下さい。』
「分かりました。楽しみに待ってます。」
彼等の要望に答えて、今大会に出場しているってことで、写真撮影を頼まれたので快く承諾して、コリアン・タウンで写真を30枚程撮影して別れた。