CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
 



『分かりましたアボジ。

ところでチャンス、今日はお前の誕生日だから、プレゼントを用意して有るぞ!』


「ホントですか!?

ソナと住む為の高級マンションとか!?」


『パボ(バカタレ)!

それはソナちゃんが卒業してからだ。

ちょっと待ってろ!

上に行って取ってくるから。』


と言って、足取りも軽やか……じゃないなぁ…!  そうとうソラの事で落ち込んでるよ…


「ハラボジ、ハラボジからは何か有るんですか!?」


『ワシからの誕生日プレゼントは、これじゃ!』


と言って、懐から1枚の封筒を出してきた。


「土地・家屋の権利書じゃないですか!」


『チャンス、お前は中を見ないでも、触らなくても、これが権利書って判るのかい?』


「ハイ。

今、中が透けて見えました。」


『凄い力だな!

まだ力を開放して無かったんだろ!?』


「そういう訳にはいきませんですよ!

こっそり開放してました。」


『な~んじゃ!

これは、この家の権利書じゃよ!

これをお前にやるわい。』


「良いんですか!?

でもどうして急に」


『ワシも年じゃしのぉ~♪

もうそんなに長生きも出来んじゃろうから、身辺整理の意味も含めての事じゃ。』


「自分の未来のビジョンも観えるんですか!?」


『そう都合良く無いわい。

ただ、毎日ここへ新聞を配達してくれる人のビジョンを観たら、2年先にはこの家には配達しておらんかった。

ワシが長年購読している京郷新聞(キョンヒャン新聞)を辞める訳無いし……。

それで、次はいつも飲んどる青汁の配達員のビジョンを観たら、やっぱり2年先にはこの家には配達しておらんかったわい。

この意味が分かるじゃろ!』


「じゃあ、私がハラボジのビジョンを観てみましょうか?」


『もう余計な事をせんで良いわ。

どうやら2年後には、ワシは婆さんのところじゃよ!』


「……ハラボジ…!」


『なんじゃ!』


「3年後にも、ハラボジは生きてますよ!

って言うか、まだまだかなり長生きするみたいですけど…」


『なんじゃと!

ワシのビジョンを勝手に観たのか?』


「当たり前ですよ!

ハラボジが、後2年も生きられないなんて聴かされたら、ショックですし、気になって仕方が無いじゃないですか!」


『じゃあ何で?』
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