CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
『Seiji!
‥‥じゃなくて、
小川社長、事務所設立おめでとう!
ところで、タレントは何人抱えているんだい!?』
「ありがとうございます高山会長。
うちのタレントですか!?
今は、俺達ナイトメアと、後輩のバンドでインディーズで遣ってた奴等を売りだそうとうちに在籍させたのと、後はうちの女房の弟君のバンドだから、合われたら13人ですよ。」
『ブロークン ヘッドもかぁ!
それなら、当分は事務所運営も楽だな!』
「まぁそうですね。
義弟の堺皇成は、うちの一押しですからね。
その上、俺が個人的に書いた曲をKYUが歌ってくれたから、印税の額がすごいすごい!」
『よく言うよ!
100人以上の人に何百曲と楽曲提供しているくせに!
それにしても事務所の名前が
【STREAM ENTERTAINMENT MUSIC 】
って、略したらSEMじゃないか!
何か、韓国のSeoul Entertainment Music と紛らわしいなぁ!
真似した!?』
「気のせい、気のせい!
ところで、この後うちの若手のバンド
【 Southern Cross 】(南十字星の意)
のステージが有るから観ていって下さいね!
それじゃあごゆっくり。」
『あぁ、観させて貰うよ。』
「アボジ(親父)、来てたんですか!」
『あぁ、ちょっと前にな。
ソナちゃんとハヌルちゃんは、小柳じゃなくて、桧山マネージャーの奥さんと一緒にあそこに居るよ。』
「本当だ!
それじゃあ、ちょっと失礼します。」
『お兄ちゃん凄い人だらけ!
有名人が一杯いるね!』
「何言ってるんだよ?
お兄ちゃんだって有名人なんだぞ!」
『プッ!
ハハハ!
それもそうね。
お兄ちゃん、ジョージさんがこっち来るよ。』
「ジョージ、お久し振り!
ジョージの結婚式以来かな!?」
『そうだよ。
チャンスは冷たいから、全然遊びに来てくれないのら!』
「そう言うなよ!
【ヌーベルマリエ 森本】がオープンしてから、ジョージだって忙しいだろうと思って、一応遠慮してたんだから。
それにG-1グランプリも有って、ずっと現場で監修していたんだから。
元気してた?」
『俺らは元気なのら。
那奈ちゃんは最近つわりが酷くてかわいそうなのら。』
「つわりって?赤ちゃんが出来たのか?」
『そうなのら。
今は、15週目に入っているのら。』
「‥‥‥15週目‥‥‥って事は‥‥‥な~んだ、正月に×××したって事だな。」
『テジュン、いきなり後ろから、何スケベな事言ってるのら!?』
気が付けば、テジュンと奥さんの美里さんがニコニコしながら立っていた。
その美里さんのお腹も、少しポッコリと膨らんでいた。
24週目に入ったばかりだそうで、めでたいことが続きそうである。