CHANCE 2 (後編) =Turbulence=





人形町の新居に到着した。



以前来たときよりも、庭も建物の外観も綺麗になっていた。



指紋認証ロックと暗証番号のロックとでセキュリティを解除したり、ドアのロックの解除したりが出来る。



防犯カメラも数台設置されており、全ての硝子窓は、ポリカーボネードによる加工を施してある。



ふと、庭の角を見れば、自分の身長と同じくらいの桜の木が植えてあり、小さな蕾が膨らみかけていた。



駐車場を見ると、真っ赤なFITが停めてあった。



ソナのお気に入りのハイブリットのFITだ。



建物の中に入ると、ソナが笑顔で



『おかえりなさいオッパ(恋人が彼氏を呼ぶ時に使うハングル語)!』



「ソナ、ただいま。

一人で来たのかい!?」



『うん。

荷物の整理しないといけないし、もうすぐ家具屋さんが来るの。』



「何か注文したの?」



『オンマ(ママ)が勝手に注文したの。ゴメンね!』



「良いよ。

で、何を注文したの?」



『衣装タンスとドレッサーとソファーとオットマン。

アッ!それから、ダイニングテーブルも!』



「マジで!?」



『うん。驚いた?』



「まぁね!

でもまぁ、合って助かる物ばかりで良かった。

俺も家電品を注文したから、もうすぐ届くよ。」



『家電品!?

今まで使ってたのが有るのに?』



「これからは家族で使える大きなのに買い換えたんだ。

前のはリサイクルショップに引き取って貰った。

って言うか、俺の使ってたのにサインを入れてくれって言われたよ。

ファンに売るか、ネットオークションにでも出すんだろうなぁ。」



『サインしてあげたの!?』



「あぁ、油性のマジックでデカデカとハングル語でサイン入れておいたよ。

リサイクルショップのおじさんもびっくりしてた。」



『ほんとにもうオッパは!

それで新しい家電って何を買ったの?』



「まずは、乾燥まで遣ってくれる洗濯機と、アッ勿論ドラム式ね!

それと、炊飯器の1升炊きに、冷蔵庫は6ドアのを!

そして、リビングに置く大画面のテレビ!

見たら驚くくらい大きいよ!」



『引くくらい大きなテレビ!?』



「引くだろうなぁ!

70はあるから。」



『何か目が痛くなりそう。

私も、今日からここで住みたいなぁ。

ねぇ、オッパ良いでしょ!?』



「良いけど、もしマスコミにばれたら?」



『この際、発表しちゃいたいな!』



このソナの一言で、またまた大変な事が!



チャンスの思いは‥‥‥‥‥‥‥‥‥



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